冬の「ブリ大根」と燗酒の美味しさって知っちゅう?
皆さん、大変遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
司牡丹総務部社員のリカコです。
令和6年最初の「旬どき」ブログ、本年も何とぞ宜しくお願い申し上げます。
さて、大寒も過ぎ、立春が目の前という1月末になりました。
1年でもっとも寒さが厳しいといわれるこの時期、 標高も高く盆地である我が町佐川町は、朝の気温は連日マイナスになり、高知市内よりも常に5℃ほど気温が低い状態です。
酒造りにとっては嬉しい気候ではありますが、南国土佐人にとっては、やはり厳しい寒さといえます。
では、そんな寒い時期にピッタリの、身体が芯から温まるようなそんなお料理を、今回は是非ともお願いいたします、社長!
「ほいたら、ワシが寒い時期になったら無性に食べとうなる、日本の冬の大定番料理を、今回はご紹介さいていただきましょうかのう。
そりゃあ、『ブリ大根』ながやき。
しかも、この料理と日本酒の燗酒を合わせていただきゃあ、そりゃあもう至福のひとときで、しかも身体も芯まで温まるがぜよ!」
はい。「ブリ大根」ですね!了解いたしました。
ではまず、メイン食材のブリについて、調べてみましたので、ご紹介させていただきます。
ブリと言うと、富山などの日本海側のイメージが強いですが、実は高知県でも、宿毛市沖の島の海域などで、美味しい寒ブリが獲れるのです。
次に、ブリの栄養価や効能などについてですが、ブリは、青背の魚の中でもトップクラスの栄養を誇り、良質なタンパク質と脂質を豊富に含んでいるのだそうです。
また、特にDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)が多く含まれており、これらの脂肪酸は学習・記憶能力の向上に加え、動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞・糖尿病など、生活習慣病の予防効果があると言われているのだとか。
またブリには、糖分やコレステロールの代謝を促進するビタミンB1、B2、ナイアシン、歯や骨のもととなり骨粗鬆症を防ぐカルシウムの吸収を促す、ビタミンDも豊富なのだそう。
さらに、コレステロールの代謝促進や肝臓強化に優れた効果を発揮するタウリンも豊富で、その栄養価は動物のレバーにも匹敵するほどなのだとか。
中でも血合部分には、通常部分の3倍もの量が含まれているのだとか。その上、POA(パルミトオレイン酸)も豊富で、これは脳の血管に栄養を補い、血管壁を丈夫にする働きがあるとされる成分なのだそうです。
ちなみに市場に周年出回っているブリは、ほとんどが養殖物で、こちらは一般的に「ハマチ」と呼ばれているようです。
養殖物と天然物では、脂質含有量などの成分に相違があるようで、養殖物の方が脂質が多く嫌な脂っぽさが残るそうですから、脂の量だけで判断しない方が良さそうです。
そしてブリと言えば、成長していくにつれて呼び名が変わる、「出世魚」の代表格なのだとか。
地域によって呼び名に多少の違いがありますが、一般的には、ワカシ、イナダ、ワラサ(ハマチ)、ブリ……という具合なのだそうです。
高知には昔から、正月に大物を食べると縁起が良いとして、鯨を食べるという風習が残っていますが、この時期のブリは15キロを超える大物もあり、何より「出世魚」ですから、「ブリ」と名が付けば、それは出世を果たした「大物」と言えるはずですね。
つまりブリは、おめでたい年末年始に、ピッタリの縁起が良い魚であるとも言えるでしょう。
続いては、もうひとつのメイン食材である大根についてです。
まず大根には、ナトリウムの排出を促進するカリウムが豊富に含まれていますので、高血圧や動脈硬化、脳梗塞などの予防に効果が期待できるのだそうです。
さらに、胃腸の働きを活性化する酵素もいくつか含まれているのだそう。
「アミラーゼ(ジアスターゼ)」は、デンプンを分解する働きがあり、胃もたれや胸焼けに効果があるといわれています。
同じく消化を助ける「オキシターゼ」という酵素は、発ガン物質を解毒する作用があるといわれ、ガン予防が期待できるのだとか。
さらに、辛味成分である「イソチオシアネート」は、血液をサラサラにする作用があるといわれています。
大根と聞くと、あまりに一般的過ぎて、それほど効能があるような気がしませんが、なかなかどうして、実は結構効能のある野菜なんですね!
では、早速「ブリ大根」を作ってみましょう!
なお、今回ご紹介するレシピは、ブリそのものの美味しさと、大根そのものの美味しさを一層堪能するために、あえてやや薄めの味付けにしており、また、高知では「ブリ大根」によく使われる生姜も、今回はあえて使わず、シンプルに仕上げるレシピを、社長が選んでおりますので、その点はご了承ください。
用意する材料は、ブリの切り身、大根、日本酒、味醂、醤油、砂糖、そして柚子の皮です。
まず大根1/4本の皮をむき、厚さ1.5cm位の輪切りにして鍋に入れ、かぶる程度の水を加えて中火にかけ、10分程度煮てからザルに上げておきます。
続いてブリは、熱湯にサッと通し、表面の色が変わったらすぐに取り出します。
次に、鍋に1カップ程度の水と、日本酒1/3カップ、味醂1/8カップ、醤油大さじ1.5、砂糖大さじ0.5、を加え、中火にかけます。
続いてブリも入れ、オーブン用シートなどで落としぶたをするのですが、今回は落としぶたがなかったので、普通に鍋にフタをしましたが、これで10分ほど煮れば完成です。
器に盛り付け、仕上げに柚子の皮の千切りを乗せましょう。
そして、この「ブリ大根」の美味しさを、さらに倍増させるには…旬の日本酒を合わせていただくこと!…ですよね!
今回は、季節限定ではないですが、冬場にぴったりの燗酒に向いていて、しかもこの料理と相性抜群の骨太な男酒ということで、「船中八策・生酛(きもと)」(超辛口・生酛仕込み純米酒)のぬる燗(40℃程度)を、ウチの社長が選ばせていただきました。
このお酒は、明治新政府のあり方について、坂本龍馬さんが船中にて考え出した策に由来する、ロマン漂う逸品 「船中八策」の、昔造りの 「生酛」バージョンです。
その香味は、品の良いナチュラルな香りは定番同様ですが、なめらかに膨らむ味わいの部分に、ほのかな酸による幅が感じられます。
そして、「船中八策」の代名詞とも言うべき後口の抜群のキレの良さは、酸による幅からの落差がより感じられ、一層のキレの良さを感じさせてくれます。
また、ぬる燗にすると、より幅のある膨らみをしっかり感じさせてくれるため、定番以上に燗酒向きであると言えるとのことです。
では早速、「ブリ大根」と、「船中八策・生酛」を合わせて、いただいてみましょう!
まずは 「ブリ大根」から……しかし、香りからしてソソリますね!
ブリと大根を、お箸で一口サイズに切って、一緒にパクリ……うわっ!うんまっっ!!
あまりにシンプルなレシピだし、味付けも薄いのではと思ってましたが、コレは本当に美味しいですっ!
何というか、濃い味付けの「ブリ大根」にはない、ブリそのものの美味しさと大根そのものの美味しさが感じられるし、しかも飽きずにパクパク食べたくなるというか……とにかく美味しいんですってっ!
あとは社長、宜しくお願いいたします。
「なかなかどうして、リカコさんの表現は、まさにそのとおりながやき!
そこに付け加えりゃあ、脂の乗った寒ブリのとろけるような食感と濃厚なうま味、大根のナチュラルなうま味、それらあにしみ込んだ醤油の辛味と味醂の甘味、ほんで柚子皮の爽やかな風味が絶妙なアクセントとなり、それらあが見事に融合し、壮大な交響曲を奏でもって、口中いっぱいに膨らんで、温かみとともに全身に沁み渡っていくかのような味わいっちゅう表現になるがよ!
あぁ……何ちゅう多幸感!!
このお酒が、『ブリ大根』の味わいの交響曲を、さらにクライマックスに導くかのように、下から支えて押し上げ、引き立て、膨らまいて……ほんでエンディングは、爽やかに流れるようにキレていくがやき。
ほいたら、舌が、喉が、体が……『ブリ大根』を求めてくるがよ。
そこで『ブリ大根』をいただきゃあ、今度は、舌が、喉が、体が……『船中八策・生酛』のぬる燗を求めてくるがやき。
『ブリ大根』『船中生酛』『ブリ大根』『船中生酛』『ブリ大根』『船中生酛』『ブリ大根』『船中生酛』……
交互にやりゃあ本気で止まらんなって、さらにやりゃあやるばあ、身体が芯から温まって、心まで癒されていく……そんな冬の至高のペアリングじゃと断言できるがぜよ!」
社長、ありがとうございました。
実はワタクシ、これまで作っていたブリ大根は、生臭み消しに生姜を加えていましたが、下ごしらえにサッと湯通ししておけばブリの生臭みは消えるので、生姜を使わなくても美味しくいただけるのですね。
勉強になりました。ありがとうございます。
しかも、このブリ大根なら、味付けが濃くないし、柚子の風味も爽やかなので、いくらでもパクパク食べられて、さらに「船中生酛」のぬる燗も進んで、ドンドン全身が温まっていくって感じで、寒い時期にまさにピッタリの、冬の酒と肴の最強タッグですね!
ああ麗しき、土佐の厳寒!旬どきのうまいもんに……乾杯!
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